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​塔の岩でしらす焼き飯 平成31年4月

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今や腰痛に悩む冴えない中年と成り果てた私にも、かわいい幼稚園児だった時代がありました。

​自分がどんな幼稚園生活を送っていたのか、覚えていることはあまり無いのですが、母が持たせてくれた小さなお弁当箱にぎっしり詰められた「焼き飯」の事は今も記憶に鮮やかです。

具はハムやチャーシューなどではなく、焼いてほぐしたアジやサバ、あるいはシラスでした。

それが母の、そして我が家の焼き飯でした。

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ある日のこと、「焼き飯と炒飯って何が違うんだろう?」と思いパソコンを眺めていたら、料理研究家の土井善晴さんの紹介する「しらすの焼き飯」が目に留まったので、早速作ってみることにしました。

​主な食材はご飯、卵、ネギ、そしてしらすと、とてもシンプルです。

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フライパンに溶き卵を流したらご飯を投入。

ご飯を卵でコーティングしてパラパラに仕上げるなんてテクニカルな事はしません。

もっとも、写真を撮るのにモタモタしている間に卵が固まってしまって、コーティングするつもりであっても出来ない状態になってしまいましたが。

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「無理にご飯をほぐさない、自然にほぐれるのを待つんです」

「火加減は中火から弱火」

「火と戦うんじゃなく仲良くしながらご飯を一粒一粒焼くつもりで」

​「炒飯じゃなくて焼き飯だから、炒めるのではなくて焼くんです」

土井先生のアドバイスに、成程々々そういうやり方でいいのかと、目からうろこのクッキング。

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先生の言われるとおりに自然とご飯がほぐれてくれたので、しらすとネギを加えます。

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醤油で味を調えれば「しらすの焼き飯」の出来上がり。

​早速サーモスのスープジャーに詰めて山に向かいます。

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真っ赤な大藤大橋を渡ります。

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高瀬トンネルを出たら、さあ、塔の岩へ行きましょう。

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おおっ、全く予想外の光景。

何やら大掛かりな作業が行われているようです。

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普段は鳥の声だけの林道に重機の音が響きます。

​木材の伐採作業のようです。

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石垣の上も伐採が進み、全く見違える光景です。

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今まで見えなかった山肌が露になっていて珍しい眺め。

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林道分岐を右折すると道の傾斜が増してきます。

​作業の音も遠くなりました。

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石仏のある辺りに転がっている焼けた木は一体何だろうと、いつも首を傾げます。

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登山道に入ります。

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ここにもかつての生活の跡が。

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初めて来たときはギョッとした道も今では全然へっちゃらに。

しかし、へっちゃらになるのは果たして良い事なのでしょうか。

登山に限らず何でもそうですが、慣れた時にトラブルは起きるもの。

​慢心してはだめ。

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炭焼窯跡の平坦地。

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一本の木なら簡単に跨げてしまうが、三本束ねると容易に跨げなくなるのだ・・・ と、毛利ならぬ森の「三矢の訓」。

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うまい事を言うなあと自分で自分を褒めながら、次の障害物を跨ぎます。

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塔の岩手前の平坦地。

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平坦地を抜けて、頂上直下の急登を上がります。

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塔の岩頂上に着きました。

​何度見ても惚れ惚れする光景が広がります。

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先月は無かった蕾がお出迎え。

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頂上南方の眺め。

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眼下を望遠で。

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余り水量の多くない峡谷。

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塔の岩の頂上はこんな感じ。

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焼き飯と紅茶のお昼ご飯。

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遠い昔を思い出す優しい味わい。

塔の岩で食べるしらすの焼き飯の美味しさは格別です。

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濃くてパンチの効いた紅茶もまた格別。

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食事を終えてさくさくと下山、登山道から林道へ。

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作業はまだ続いていました。

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チェーンソーを手に急斜面での伐採作業。

​私などにはとうてい真似の出来ない大変なお仕事です。

​ご安全に!

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という訳で、冬が終わり春を迎え季節が変われば景色も変わるだろうと思っていた私の想像をはるかに超える変化にびっくりする事になった、平成31年4月の萩市川上、広々と開けた石垣上の平地を見てかつてここで営まれていた人々の暮らしに思いをはせる塔の岩登山でした。

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